ウコギ科 キヅタ(ヘデラ)属 つる性の常緑木

別名 セイヨウキヅタ(西洋木蔦) キヅタ(木蔦) ヘデラ ムカデ(百脚蚣)他

Ⅰ.アイビーの主な概要

緑色の澄んだ輝きがまるでエメラルドを彷彿とさせる“アイビー”
葉の美しさは観葉植物公共の緑化工事など幅広く貢献し、すっかりお馴染のツタ性植物です


原産国はヨーロッパ北アフリカアジア西アジア)とかなり広範囲で分布しています。


アイビーをはじめとする長いツル性の茎が壁面をよじ登る性質は、世界的に見ても利用価値があるため、園芸界でも重宝されているといいます(・o・)


アイビーが壁や石垣をよじ登る力気根(地上部から生えてきて土からはすっかり露出している根)にあります

特に古いツタを見ると、まるでムカデの脚のようにたくさんの気根が発生していて、しっかりとしがみ付くように伸びているそうです。。
この勢いがあってこそコンクリートの壁の緑化が可能になりますし、時には壁を覆い尽くし建物自体をスッポリと包んでしまう場合もあるワケです…


ヘデラと呼ばれる由来はその草姿からきていると言われています
ギリシャ語で『座る密生するよじ登る』という意味のhedra、ラテン語で『しがみ付く・くっつく』という意味のhaerereという言葉があるそうです…なるほど~(^^)


寄せ植えのグリーン担当としてもよく知られ、他の草花との相性もピッタリなため、使われる場面が多いです(^∀^)
寄せ植えとは本来、育つ環境が似ている草花を植えることだそうですが、アイビーは何度でも使い回しが出来るので良いですよね♪)
また棚の上や吊り鉢からツタを垂れさせインテリアプランツとしても使用され、今後ますますアイビーの活用が気になります~
アイビー
Ⅱ.アイビーの栽培特性①

栽培特性半日陰が適しています/
たくさん日光浴をさせると成長のスピードが早くなり、丈夫な植物体をつくり、葉の色ツヤも格段によくなります

ただし、直射日光などの強い日射しに当ると葉焼けして傷んでしまうことがあります(-_-;)

日陰にしてもそこまで問題はありませんが、あまりにも暗い葉が落ちた葉がつきにくくなったりします
また斑入りの場合、模様がはっきりしないこともあるそうです…もったいないですね。。


風通しをよくすることも大切で、病害虫が発生しにくくなります。


耐寒温度は0~5℃のため、暖地(及び平地)では外で越冬が可能です
ただ寒くなってくる葉が落ちやすくなりますので、キープしておくには室内に置くと大丈夫です(^O^)d


アイビーは御存知の通り、良くも悪くも伸びていきます(汗)
邪魔だなァ』と感じた時は思いきって短く切ってしまいます
どこから切っても大抵は芽が出てきますので、心配はいりません(^_^)

切った枝は春~秋のうち挿し木して増やすか、アレンジメント葉物として活用するか出来ます、便利ですね
アイビー 壁掛け
Ⅲ.アイビーの栽培特性②

水やりは土の表面が乾燥したら…お願いします(鉢植え
水切れになった場合も水さえ充分に与えてもらえば、グッタリと萎れていても何度でも回復します

また庭植え降雨でも間に合いますので、そのままで結構です(ただ夏場で乾燥している時水やりの必要があります。)

は(ほとんどの植物がそうですが)生育のスピードがゆっくりになりますので、水やりの頻度は減らしていきます。(乾燥気味で大丈夫です!)

肥料は特になくても環境さえよければ順調に育ちます
もし施肥する場合春・秋の2・3ヶ月に1回固形の肥料少量、与えると良いそうです(^v^)

鉢植えで長く楽しむには1・2年に1回の植え替えをおススメします(ある程度までは鉢植えにして、その後は庭に植えるという手も有りますが…。。)
何せアイビーは生命力が有り余るほど満ち溢れています(笑)
みるみるうちに成長して鉢の中を根でギュウギュウにしてしまうため、根詰まりがおきます!!水の吸収が悪くなってしまいま…)

害虫はアブラムシハダニなどです

アブラムシは植物体に群がって吸汁し、モザイク病などを媒介させる特徴があります!

特に葉が茂り過ぎていると発生しやすいので、早めの間引きを(生長が早い枝が太いところを残すよう)お願いします

ハダニ葉裏にくっついて吸汁したり、葉を枯らしてしまったりすることもあります!

薬剤散布も必要ですが、葉水(葉に霧吹きなどで水をかけること)で洗い流すのも効果があるといいます


病気は灰色カビ病炭そ病立枯病などです

灰色カビ病葉や茎水で浸みたように腐り、灰色のカビが発生します腐る前兆として黒やに変色するので要注意!)

炭そ病葉や枝に、灰色褐色少しへこんだ楕円形の病斑が発生します

立枯病土壌中の菌が繁殖したことで根が腐って、終いには植物全体が枯れてしまうことも有ります

いずれも被害にあった箇所は早めに取り除き立枯病ごと抜き取る)、殺菌剤の散布雨や密植を避けて風通しよくすることが大切です
アイビー いろいろ
アイビーと言えどこんなに違います
(しかもコレでもほんの一部です…
アイビー ハート
ハート型に伝わせていけば、お見事!
繁殖力旺盛の賜物ですね~凄いです
アイビー いろいろ
3種のアイビーの寄せ植えです
…皆さんはどのアイビーが好きですか?
Ⅳ.アイビーの品種

一口に“アイビー”といってもその品種数は相当で、斑入りの美しいタイプや緑の葉が鮮やかなタイプ、葉の形が特徴的なタイプなど…それぞれ独自の存在感を放っています

わざわざ品種名なんて覚えなくても、その場のフィーリングというか…ビビッと『これがカッコイイ!』とか『これがカワイイ!』と感じたアイビーを選んでいただくのが1番だと思います…“ハズレのアイビー”なんてありませんから(笑)

そうは言いますが、品種名も面白いモノが結構多いので、ほんの一部(過去に入荷した覚えのあるモノ)ですが紹介したいと思います(^^)/



ピッツ・バーグ…『?』、名前だけでは無理もないですが、アイビーと言ったらまさにこの品種が該当します

グレイシャー…こちらは白い斑入りのアイビーとして有名な品種で、緑部分の濃淡が特徴的です。

ゴールドチャイルド黄色い斑入りのアイビーの代表格、全体的に黄昏時の光を浴びた様な色合いをしています

エヴァ…やや葉先が尖っていて、優しい黄色の斑入りがあって結構人気です…どうでもいいですが、名前勝ちしています(笑)

セシリア白い斑入りが上品でアイビーの女王とも呼ばれ、インテリアプランツ造花でもよく見かける品種です

ゴールドスターン鮮やかな黄緑色鳥の足のような細めの葉が特徴的な人気のある品種です

グリーンリップル葉先が尖って少し大きめの品種で、明るめの緑色爽やかな印象を覚えます

ゴールドハート濃い緑葉の中心にはっきりと黄色い模様が出ますが、全て黄色になる時もある変わった品種です(・o・)

アダム寄せ植えなどには最適な品種だそうで、曲ったことが嫌いなようで真っ直ぐに伸びていく性質があるそうです

アイリッシュレイス…やたらと尖った緑の葉で鳥の足に似ています、でもすごくカッコイイ品種だと思います(♥ω♥)

スイートハート…丸みのあるソフトなハート型をした品種で、緑が非常に鮮やか可憐克つ品格が感じられます

シャムロック濃い緑色白い葉脈を持ったグリーンフェザ―のお子さんです、それでもアイビーらしい葉をしています。。

グリーンフェザー…あまりアイビーっぽくない葉の形シャムロックのお母さんです、どちらかと言うとクローバー似です

スペチリ―…実は世界1小さな葉をつける品種ですが、あまり流通していないちょっと貴重な存在だそうです!!

ダックス・フットアヒルの足に似た葉で葉脈部分が少し黒みがかっています、かなり繁殖力旺盛な品種です

レディ・ケイスリムな葉キレイな緑色をしていますが、アイビーの品種中でも割と地味~なタイプだったりします…。

サークハート型の葉で光沢が美しく、深緑色が何とも貫禄みたいなものを感じさせる品種です

G・インカ…あまり尖った葉ではなく、全体的に優しい緑クリーム色の斑入り可愛らしい印象です(^^)

コーラ…葉が大きく波打って縮れているのが特徴で、光沢があり上品な雰囲気がします…私事ですがお気に入りのアイビーです



ちょっと文章ではあまり上手く伝わらなかったと思いますが…実際に見てみると全然違います。
ここでは紹介できなかった品種がたくさんありますので、ぜひ自分の目で確かめてお気に入りのアイビーを見つけてみてください(^O^)/
アイビー しがみつく

アイビー イメージ
少しずつアイビーで覆われていくのも風情があっていいですね★
レンガってよく映えるような気がします(^v^)
気根が逞しく壁を伝って『ファイト一発』していま~す(笑)
Ⅴ.アイビーにまつわるETC…

アイビーの花言葉についてです(^^)/
永遠の愛』『結婚(破綻のない結婚)』『友情』『不滅』『誠実』『死んでも離れない』です☆

アイビーの青々とした葉力強い気根枯れずよく伸びていくことから、ずっと続いていく人と人との関わり合いを表しているそうです(……とても美しい姿だと思いませんか~『死んでも離れない』っていうのはオーバーな表現というか病んでいるというか…

このようなおめでたい意味が込められているため、結婚式の花飾りとして使用される場面が多いです。。

なんと!風水でも金運健康運を上昇させてくれる力があり、室内の水廻り付近に置いておくと良いらしいですよ(・o・)

日本でも壁や塀に這わせて目隠しなどに利用されているお宅も多いかと思いますが、実際ヨーロッパでは家を守る幸せの象徴ともされています


またローマ神話に登場するバッカス様…そうです、お酒(ワイン)の神様ですね~(^o^)
あのバッカス様が頭にのせている(花冠ならぬ)葉冠アイビーなんだそうです!!

その言い伝えもあってヨーロッパの酒屋さんの多くは、アイビーを壁に這わせたり葉冠をかたどったアイビーのリースを吊るしたりして、飲み過ぎて悪酔いしないよう願かけのアイテムとしても定着しているそうです

(…ちなみにバッカス様自体は悪酔い知らずの酒豪…どころかかなり酔いやすくテンション上がって下ネタに走る体質だったそうな……それでいいのか、お酒の神よ


天下のギリシャ神話にもお酒(ブドウ酒)の神様ディオニソス様がいらっしゃいます(^o^)
(…もともとディオニソスがラテン語化されたものがバッカスだそうです。)

ディオニソス様の宴会というのは凄ーく楽しいドンチャン騒ぎなんだそうで…流石ゼウスの体内で育ったことはありますね。。
ある日の宴会の際、1人のニンフ(妖精)踊り続けてとうとう力尽きてしまいました、そこでディオニソス様はその踊りを大変評価してアイビーの姿へと変えたという話があります

…意外にもアイビーお酒って関わりが深いんですね~、ちなみに日本のツタ(蔦)は紅葉がキレイなブドウ科です(あっ…ブドウ繋がり…)


酒は薬と言われるように(無理にでも繋げたい。)アイビーの葉薬用としての用途が備わっています
慢性カタル性疾患粘液白血球への病態)き・黄だん(皮膚や目が黄色く変色)・結石症腎臓尿道への激痛)などです…(-_-;)


秋~冬の間にアイビーも黄緑色の小さい小さい花を咲かせますが、命は短く…長くても1週間くらいだそうです(/_;)
見過ごしてシーズン終わってたら、『花なんて咲いてたの!?は!?いつよソレ?!』って感じですが、実際に観察する価値はありそうですね。。


生命力にあふれた緑の葉に魅せられて、グリーンなライフを楽しんでみてはいかがでしょうか…