フウロソウ科 テンジクアオイ(ぺラルゴ二ウム)属 小低木の多年草

別名 ゼラニューム テンジクアオイ(天竺葵) 他

Ⅰ.ゼラ二ウムの主な概要①

華やかな色彩と独特な香りを放つ“ゼラ二ウム”
初心者向きで育てやすく、少しの乾燥に強い性質、目を惹くゼラ二ウム・レッド)などおススメポイントがたくさん

原産地は、南アフリカ熱帯アフリカオ―ストラリアなどの温暖な地域に分布しています。
品種改良も盛んに行われ、今ではその数250以上にもなります(・o・)

南アフリカには数多くの野生種があったようで、これらは18世紀に入ると、ヨーロッパのあちこちで改良されていきました。

気侯風土に合わせて作られているため、ヨーロッパへ行くといろんな所で、赤い花が元気に咲き乱れているそうですよ
たまにヨーロッパの観光本パンフレット中の写真で、窓辺にズラーっと飾られている様子が掲載されています。…絵になりますね~(^v^)

品種改良されたゼラ二ウムたちは江戸時代末、はるばるオランダの船に乗ってやってきました
その頃はテンジクアオイの名で親しまれ、根強い人気があったといいます★

テンジクなんて呼ばれると、あの西遊記の面々が目指した天竺インドの昔の呼び名)にありそうな花…のような気がしてきますが、全く関係有りません

ゼラ二ウムといえば…あの香り(慣れると大したことはないですが、第一印象としては〝魚臭い〟と言われがち)ですが、虫を寄り付かせない効果があります

ヨーロッパの多くでは庭に飾られ、景観を良くする以外に他の花から虫を守るという役割が担われています(^^)/
虫も寄り付かないなら、悪霊も寄せ付けないのでは?と捉えられ魔除け・厄除けにもされたといいます。(さすが…ヨーロッパらしい。)

そんなゼラ二ウムも今ではアロマセラピーの分野にも進出し、なんでも女性ホルモンに良い効果をもたらすらしく…?

あの香りが好きな方もいてこそ、人生いろいろなんですから、すぐに『臭いっ!』とマイナスの評価をしてしまうのは『まぁ、失礼しちゃう!』ってなってしまいますので……。。はい、リラックス~(笑)

…改めてゼラ二ウムの凄さを実感しましたね(^^)
ゼラニューム

ゼラ二ウム
ゼラ二ウム・レッドには、どこか懐かしさを感じます。
ピンクは赤ほど派手ではないですが、ちょっぴり控えめで可愛らしいイメージがします
Ⅱ.ゼラ二ウムの主な概要②

…しかし、ゼラ二ウムの凄さはまだ終わりませんよ

ヨーロッパで盛んに品種改良がされたように、日本でも火がついたよう品種改良が行われました。

きっかけは、明治時代変わり葉ゼラ二ウム(詳しくはⅤ.)が数多く輸入されたそうで、このゼラ二ウム・フィーバー(笑)とも言える現象の火付け役になりました

日本のゼラ二ウム改良は、主に葉っぱを鑑賞するようにするのが目的だったため、変わり葉ゼラ二ウムは日本人好みの品種と人気を博して大流行したそうです(^v^)
明治時代末には、ありとあらゆる品種を評した番付表まで作られ、大正末期になっても止まるところを知りませんでした。。

さらにトップクラスで人気を独占した品種珍しい品種高値で取引され、昭和初期の時点で1株1000円以上(当時の額、今では500万円にもなる)が登場しました

明治末・大正・昭和初期はゼラ二ウムに熱く沸いた時代でしたが、次第に色濃くなる戦争下の混乱の中、多くの品種が失われてしまったそうです…もったいない気がしますね(/_;)

その後、再び様々な品種(丈夫で作りやすい四季咲き色彩が美しいものなど)が安定して出まわるようになり、現在も人々を魅了し続けています
…隠されたドラマがあったんですね、以上がゼラ二ウムの歴史についてでした(^^)/


話は変わりますが、ゼラ二ウムを植物学上ではぺラルゴ二ウム属と分類します

もともとはゼラ二ウム(ゲラ二ウム)属として扱われていましたが、後にゼラ二ウム属ぺラルゴ二ウム属に分けられました。

名前だけだとゼラ二ウム属の方がしっくりとくる気がしますが、一般的にゼラ二ウムと呼ばれるモノはぺラルゴ二ウム属に該当するそうです……なんだかややこしいですね

ちなみに、ぺラルゴ二ウムの由来はギリシャ語コウノトリを意味するペラゴルスゼラ二ウムの由来もギリシャ語を意味するゼラノスです
何故どちらも鳥にちなむのかと言うと、果実の部分がそれぞれの鳥のくちばしに似ていたためだそうです。。
ゼラ二ウム 肥料
近年はさし木・さし芽専用の土鉢花専用の液体肥料なども多く見られます!
濃いめのピンクも気になる色合いをしています
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Ⅲ.ゼラ二ウムの栽培特性・肥料・病気・手入れ

ゼラ二ウムの栽培特性日当り水はけのよい土を好み、冬は保温が必要になることです(^^)/

管理場所としては、日当り風通しの良いところで育てます

高温多湿は苦手
なので、なかなか日本の夏の気侯では、うまくは育ちにくいです…(-_-;)
実際30℃を越える温度では、葉っぱの色が薄くなったり、変色したりしてしまうようです

半日陰
になる場所があればそのままで大丈夫ですが、難しい時は大変でも高温にならず、明るい日陰にあたる場所への移動が大事になってきます(特に鉢物

は暖地以外は屋内温室内の暖かいところが良いでしょう(特に寒冷地
最低温度が3℃以上あれば冬越しが出来るそうで、10℃ほどあれば冬の間も花を咲かせることもあります(・o・)

ちなみに、暖地で霜や雪の降らない地域では外での越冬が可能です。
また、平地でも凍結・霜除けの対策が万全であれば、屋外でも冬を越せるそうです!

冬の間に寒さで葉っぱの色が変わったり、落葉することもありますが、上手く冬を越し、春になって暖かくなったら、急に元気ななります

水やりはゼラ二ウム自体やや乾いている方が育ちやすいため、表面土が乾燥してからで充分です(^_^)
春・秋はそのくらいの水やりで大丈夫ですが、は気温上昇に伴って水が蒸発しやすいので、朝夕2回が望ましいです

数日間水やりを放っておいても、忘れていても問題有りません
寒い時期だと生育もあまりせず、水分もそれほど必要とせず、吸収しなくなるためです…。。

かえって、水のやり過ぎで多湿及び過湿になってしまうと、株が腐る原因になります
秋頃から表面土の乾燥具合を確かめて、水やりの回数を減らしていくと良いでしょう

肥料は春~秋の間、2週間に1回の頻度で液体肥料を与えます(ゼラ二ウムは肥料が切れる花付きも悪くなる特徴があります)
また1年に1・2回ほど石灰質の肥料分があるもの(苦土石灰・有機石灰・生石灰など)を株元にやるのも効果的だそうです(^o^)

どの植物も大抵当てはまりますが、真夏はへばってしまい、株が弱るので与えている肥料は一旦控えるようにします。



病気は植物の部位によって違っているそうです

●植物全体はてんぐす病(枝の一部が異常に小さく枝分かれし、群生)で、病気の箇所は切り取って処分します

●花は灰色カビ病水が浸みたような斑点ができ、灰色のカビが密生)で、被害にあった部分は処分します。

●葉っぱは褐斑病小さい褐色の斑点ができ、大きくなって病斑をあらわす)で、薬剤散布置き場所を見直しましょう。

●根っこは茎腐病地下部は黒く腐り地上部は萎れて枯れる)で、被害にあった部分は根元から切り落とし処分します


害虫はアブラムシ(春先に植物体を吸汁)・コナジラミ冬場の温室に取り込むと付着しやすい)・ヨトウムシ(ニオイを気にせず葉を食害)・ハダニ乾燥する時期に現れやすい)です

いずれも、見つけ次第駆除するか、薬剤散布などに努めましょう(^o^)

日頃からの手入れとして枯れた葉を取り除くことです

ゼラ二ウムの葉は枯れると自然に落ちますが、放置しておくとカビてしまうことがあります…(-_-;)
簡単に取り除けるため、常に草姿をキレイに保ち、高温多湿にならないように風通しをよくすることが大切です

また切り戻しを行うのもおススメです

草丈が伸び、全体のバランスが悪くなってきたら、茎を短めに切ります!
新しく芽が出てくるところである節の上を目安とし、長さは全体のバランスを見て切るようにします。
場合によっては極端に短くなっても大丈夫でそうです
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Ⅳ.さし木について

熱帯性多年草のため、乾燥に強く四季を通じて、次々花を咲かせる特徴があります(※その分寒さには弱いです!)
さし木をすることで簡単に増やすことが出来、大変作りやすい花として人気があるのも事実です

簡単ではありますが、さし木の作り方をご紹介(^^)/

①さし木するのに適した枝生育が良く太めの節間(葉・枝が出ている部分)でつまっている新しい枝がおススメです!

天芽ざし部分(枝先)は先端に葉を3~4枚ほど残して切り、節の下及び下葉を落とします
※天芽ざし部分の2mmほど下胴ざし部も使うと苗になります

鉢の内側縁の近く2㎝ほどの深さでさします!
さし木に適した培養土で充分ですが、自分で作るなら、培養土赤玉とパーライトを混ぜたモノか川砂で対応します。
鹿沼土強酸性なので使わないことをおススめします…。
水やりはさし木する2・3時間前さし木直後に行ってください

2・3週間ほどで発根するため、その後速やかに4号鉢に鉢上げします
根を崩さないように1本ずつ作業します。
害虫の侵入を防ぐため、必ず鉢底ネットを敷いてから、鉢底石をいれます
培養土でも充分ですが、自分で作るなら、強酸性にならないよう石灰は必ず混ぜてください!
※鉢上げ後は日当り良好な場所表面土が乾燥してからの水やり3・4ヶ月ごとに緩効性肥料を与えます。
※ただし施肥のしすぎは花付きを悪くしますし、油かすは避けてください…。

⑤鉢上げ後は芯摘み(最先端の葉の付け根にある中心芽を指で欠く作業)をし、側枝を伸ばさせます。
※半年以上たって茎が伸びすぎた時は適宜切りつめます
※育ちが良く、勢いのある苗は2回目の芯摘みをすると良いでしょう

⑥根がまわりきって根詰まりを起こす前に、5・6号鉢に植え替えしてさし木の定植完了になります

…なんだか難しそうですが、この過程をするだけでたくさんのゼラ二ウム苗を作ることが出来ますよ(*^_^*)
興味を持った方は是非チャレンジしてみてくださいね★(^^♪

ちなみに、ゼラ二ウムに限ったことではありませんがさし木・さし芽を培養土にさす前に発根剤(おススメはルートン)を切り口につけておくと効果的ですよっ
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ゼラニューム2
花びら中央にワンポイントの濃いピンクが入っています
赤みがかったピンクも絵になります(^v^)
Ⅴ.ゼラ二ウムにまつわるETC…

ゼラ二ウムの花言葉は『決心』『信頼』『尊敬』『真の友情』です(^^)/
さらに色別で見てみると結構おもしろいですよ。

は『安楽』『君ありて幸福』『あなたがいて幸せ』です…。ズバリ正解、贈り物にはピッタリの言葉ですね!赤い花びらが想いをストレートに伝えてくれそうドキドキしますね

ピンクは『決心』『決意』などです…。思い切って気持ちを伝える後押しになるかも知れません。ピンクの花びらも可愛らしい印象を受けてまさに女の子向けって感じがします

黄色は『予期せぬ出会い』『偶然の出会い』があります…。出会いに感謝という意味合いでしょうか。黄色は元気な印象があるので、張りきって感謝の気持ちを伝えられそうです

は『私はあなたの愛を信じない』です…。白は清楚で好印象かと思いきや、何やら〝冷め切った〟様な何の〝進展も起こりそうもない〟様な意味合いを持っていたんですね。…きっぱり断ることも大切なんですよね

深紅は『メランコリー』『憂鬱』です…。深紅も上質な大人の色気のように感じられたんですが、少し病んでますね。この言葉はゼラ二ウム特有のあの魚臭らしきニオイが『うわ!くっせ~』というヒドイ一言からつきました

斑入り・アイビーは『友情』などです…。さらに仲の良さを取り持ってくれそうな感じです。斑入りもアイビーもちょっと特殊なので少しクセのあるゼラ二ウムを贈り物にするのも有りですね

また欧米・西洋では『愚かさ』『育ちの良さ』『上流気どり』などがあります…。褒められてるのか貶されてるのかって感じですね(・。・;


花言葉も豊富でしたが、その品種とんでもない数があり、多彩で魅力的なモノばかりです …ご紹介(^^)/

花ゼラ二ウム系…一般的なゼラ二ウムのことを指し、園芸種の始まりである野生種ゾナーレタイプともいわれるそうです
大房咲きで高性種が多く、一重咲き・八重咲きなどのタイプが存在しています。花色も多く、最も多く栽培され、親しみのある系統です :コーラルビューティ、バレリーナ、プロマイズ、ラジオなど

変わり葉系…葉っぱの模様や色が美しい系統で、昭和の初めに多く栽培されたといいます。黄色の5色から成り立つ五色葉独特の斑が入った中斑入り葉黒みがかった黒葉系など花色に引けをとらないほど、バリエーションがあります。中でも、モミジ葉系モミジに葉っぱの様な切れ込みで面白いです :マーシャル・マクマホン、ダブル・ポロック、黒龍など

ツタ葉系…アイビーゼラ二ウムを指し、その名の通り茎が長く這うように伸び、光沢がありアイビーの様な葉形をしています。一重咲き・八重咲きとタイプがあるが、近年は八重咲きの方が花色も豊富になっています。若干高温に弱い性質があります :アプリコット・クイン、フレッシュ・ローズなど

ニオイゼラ二ウム系…センテッド・ゼラ二ウムとも呼ばれ、花や葉っぱに特有の香りを持っている系統です。ヨーロッパの多くではお茶やポプリとして活用され香料用ゼラ二ウムとして知られています。香りの方が重視されがちですが、小さめの花にも気品があるそうです :アップルゼラ二ウム、ローズゼラ二ウムなど

代表的な品種を紹介しましたが、他にもぺラルゴ二ウム一代交配種系・エンゼル系・ドワーフ系・ミニゼラ二ウム系などが挙げられます……ゼラ二ウムといっても一言では言い表せないほど奥が深い花なんですね(・o・)

ちなみに、ゼラ二ウムの花色は緋紅色(原色)・ピンクサーモンローズなどがあります

さらに、数あるゼラ二ウムを楽しむ方法がそれぞれあります。 ご紹介(^^)/

花ゼラ二ウム系は存在感抜群な草姿をさらに惹き立たせるため、大きめの鉢で仕立てて見栄え良くするのも良いでしょう

ミニゼラ二ウム系・エンゼル系は小さめの可憐な花を愛でるため、ちょっとした鉢に植え替えてちょっとしたインテリア植物として飾ってみるのも有りですね

変わり葉系は寒くなると葉っぱに色がより一層はっきりするので、あまり花の少ない時期彩りをプラスしてくれます

一代交配種
系は花数が多く丈夫な性質を生かして、花壇やプランターで仕立ててみると、開花時に見事な花が見られることでしょう(*^_^*)

ツタ葉系は長く伸びた茎を上手く利用して吊り鉢や大きめで高さのある鉢に植えて、周りの茎を垂らすようにして咲かせる工夫があると面白いですね

また、切花として利用する時は花茎の付け根から切って生けると、水あげが良くなるそうです!(・o・)
またコサージュにしても、可愛くてオシャレなアクセサリーとして一役買ってくれることでしょう

このように、何に付けてもバリエーションが豊か楽しみが多い花ゼラ二ウムだけではないでしょうか
これからの春、ゼラ二ウムの花色と香りに癒されてみてはいかがでしょう(^^♪