水仙 すいせん

ヒガンバナ科 スイセン属 秋植え球根

別名 Daffodil(ダッフォディル) セッチュウカ(雪中花) キンサンギンダイ(金盞銀台) ナルシサス

スイセン
Ⅰ.スイセンの主な概要

春の訪れに気高く凛とした姿を見せる“スイセン”
シンプルな外見ながらも花壇鉢花切花などの用途で活躍し、昔から親しまれています

…個人的に昔はスイセン=水洗だと思っていてトイレに飾る花だと思っていました、お恥ずかしい(笑)

原産地は主に地中海沿岸一帯スペインのピレネー地方です。
ピレネー山脈に連なった峰々には世界中のスイセンが咲く…とも言われているそうですよ

スイセンの品種原種を含めると60種類以上にもなるそうです(・。・;
中でもラッパズイセンの改良はスイセン愛好家たちの主流にもなっています

日本でも春先に咲く黄色いラッパズイセンの他にも、伊豆紀州越前岬に群生する白いニホンズイセン(日本水仙)があります。

このニホンズイセン生け花が成立した時代から既に材料として扱われていた花で古い歴史があります…。。

さらに!安土桃山時代
にはかきつばたと並んで冬の花の代表としてスイセンが大変高い位置付けをされていたそうです(・o・)
水仙
Ⅱ.スイセンの歴史

Ⅰ.でも紹介したように原種含めてかなりの品種があると言えます。
しかし、実際はそのうちから美しい種類を選び名前を付け、それらを交配させ、より優れた美しさを持つ品種を作り出しているのです(・。・;

…スイセン愛好家の方々の熱い想いが伝わってくるようで、1品種でもかなりの時間と手間がかかっています

こうした努力の積み重ねが欧州では、200年以上続いていたそうです

17世紀になると、イギリスを中心に改良が進められていきます
今日現在でも花の形花色バラエティー豊かに揃っています(●^v^●)
改良品種を多く生み出し続けているのは、イギリスアイルランドです
アメリカオーストラリアニュージーランドニューフェィスが多いです。

欧米では新品種のデビューが盛んなため、古い品種は引退を余儀なくされカタログから姿を消す…らしいですよ

ただし、スイセンは『気品の高い花』という基本概念があり、どんなに時代が経っても、堅く守られているお約束なんだそうです
スイセン
Ⅲ.スイセンの栽培特性・肥料・病気

スイセンは球根なので基本的に植えたまま放っておいても構いません。

植え付けの時期は霜に当る前には、根をよく土中に張っておく必要があるため、10月が最適とされています(^^♪
この時期に植えたスイセンの球根は雪が解け暖かくなった時の生育がとても良いそうです

植えるポイントです
鉢植えは全部土に被せてしまわず、頭が少し見えるくらいにしておきます。
地植え球根2個分の深さで土を被せます。

スイセンは花が終わったら枯れますが、地上部のみです
球根自体は休眠状態に入ったということになります(※掘り起こす必要も特にはありません)

ここで気を付けて欲しいのが葉っぱです
枯れた葉っぱはもちろん処分でOKですが、まだ緑色をしていて枯れていない葉っぱ切らないようにしましょう

休眠中だから、球根だしまた生えて来るから……そんな保証はありませんよ(・。・;

緑色の葉っぱには光合成して作りだした栄養が含まれていて、その栄養を球根に蓄積する役割があります
つまり葉っぱを切ってしまうと、球根への栄養を途中で絶たれて十分な栄養が行き渡りません!!
次の年の花つきにも関わってきます…。。

スイセンは日当たりの良い場所を好みます
日光が届かない場所では、花が付かなかったり咲かなかったりすることがあります(・o・)
またあまり光合成ができないため、球根が太りにくくなってしまいます…。

ちなみに、風のあたる場所花首が折れます(特に花が大きいモノは重いので仕方ないようです…。)
夏は涼しい場所がスイセン自体にも良いでしょう(※暑さは苦手としています)

水やりは植えつけて数ヶ月、葉っぱが出てくるまでは行うようにしましょう
土の中では確かに根っこを張っているため、土の表面が乾いたら水やりをします

その後は乾燥気味でも大丈夫なので、触れてみて土が濡れている・湿っている場合は水やりをしません

の水やりは朝のうちに済ませます。
夕方頃には冷え込んできて、凍みてしまうためです

は気温が少しずつ上がり、水切れしやすくなりますので気を付けましょう

肥料は特に必要ありません。
強いて言うなら、球根を太らせ、花を咲かせるようにリン酸の多い肥料になります
しかし!与える量が多いと腐ってしまうことがあるそうです(゜o゜)

また、窒素が多めの肥料だと窒素過多になって葉っぱばかりが茂ってしまいます(そして花が咲きません…。)

病気ウイルス病モザイク病にかかりやすいです…。。
葉っぱの色が抜けたりモザイク模様斑点が発生します。
最悪の場合、球根が萎縮したり、茎が曲がったりする場合もあります(-_-;)

ウイルス感染の病気は1度かかるともう治ることがない上に、いつまでも放置しておくと他の球根にも感染してしまうので、掘り起こして処分(特に焼却処分がベスト)するようになります
スイセン 肥料

スイセン

Ⅳ.スイセンの品種

スイセンには花の形花色草姿から12群に分けられるそうです(個々の品種で数えるととてつもない数になります…。)

また1万以上の品種がある場合は1W-Y記号で表示されるそうです
表記方法は1(=12群中の分類)・(=ホワイトのWで、まわりの花びらの色)・(=イエローのYで、中央のラッパ状の花びらの色)と表しているんだそうです……なんだか簡単そうで複雑ですね(-_-;)

では、12群をサクッと紹介します

Ⅰ:ラッパズイセン群…大輪咲きで性質は丈夫。イギリスでスイセンといえばコレ。品種はマウントフッド 他。

Ⅱ:大杯スイセン群…ピンクズイセンが該当。サーモンローズが優しい中央の花びら。品種はアクセント 他。

Ⅲ.:小杯スイセン群…巨大輪花びらは厚め変色するタイプもある。品種はドリームキャッスル 他。

Ⅳ:八重咲きスイセン群…八重咲きでキレイ。中央の花びらは。品種はゲイタイム 他。

Ⅴ:トリアンドルス群…大輪咲き。中央の花びらが長めのタイプもある。品種はチューズデイチャイルド 他。

Ⅵ:キクラミネウス群…花持ちがよい。変色するタイプもある。品種はフェブラリーゴールド 他。

Ⅶ:ジョンキラ群…大輪が多く咲く。性質も丈夫。品種はハイノ―ト 他。

Ⅷ:房咲きスイセン群…芳香性がある。花を多く咲かせるタイプがある。品種はゼラニウム 他。

Ⅸ:ポエティカス群…花びらは厚め。中央の花びらの縁が色付く。品種は口紅スイセン 他。

Ⅹ:原種及び自然交雑群…中央の花びらが大きくラッパのような形。かなり全体として小さい。品種はバルボコディウム 他。

Ⅺ:スプリットコロナ群…まわりの花びらのねじれ方が特徴的。中央の花びらもかなり開く。品種キャサタ 他。

Ⅻ:Ⅰ~Ⅺに該当しないもの

初心者にもおススメなスイセンは種類も豊富で、丈夫な性質なⅠ群~Ⅲ群になります(^v^)
是非!参考にしてみてくださいね♪

たくさんあるスイセンの品種ですが、大切な条件があります。
花色は鮮明であること・茎が丈夫であること・風や雨に耐えられること・花持ちがよいこと…ですね

また芳香性のある品種は個性があるため、香りを楽しむこともできます
スイセン スノーフレーク
Ⅴ.エピソード・オブ・スイセン

スイセンの別名にナルシサスと呼ばれるものがあります。
ナルシストにもよく似た響き…『自分大好きな自惚れや』のことでしょうか……ご紹介(^^)/

ギリシャ神話に登場する美男子ナルキッソス(ナルキソス)が由来するようです

彼は美男子ですから、大変モテます(笑)誰もかれも一目見たらイチコロになってしまうようです
ですが、ナルキッソスは自分の美しさ自覚がないようで、言い寄って来る者たちをひたすら迷惑がっているようでした…。

いろんな女性が虜になり、中でもニンフ(妖精)のエコーちゃんは彼に夢中になってから振り向いて欲しくて、強く愛を求めたそうです

…しかし、こういうタイプが1番好きじゃないのか、あっさり無視されてしまいました、フラレてしまったようですね
報われない恋にエコーちゃんは嘆き、終いにはショックで痩せ細って声だけになってしまいました(;O;)

復讐の女神ネメシスはこれに怒りを覚え、『自分の姿に恋をしてしまう』という随分厄介な呪いをナルキッソスにかけてしまいます

たちまち彼は水面に映った自分の姿を見てをしてしまいますが、どんなに愛や想いを募らせ、言葉にしても伝わるはずがありません
エコーちゃん同様に報われない恋をしたナルキッソスは苦悩の末、命を絶ってしまいました……合掌。。

そして、彼の遺体の代わりに水面をうつむくようにして咲く花、スイセンが咲いたというのです!!

呪いで自惚れやになった訳だったんですね…ほっ。
改めてギリシャ神話草花の関わりが盛んだったかが分かりますね☆

実は日本にもスイセンにまつわる昔話に『越前水仙民話』があります。

時代は源平の頃、1人の美しい娘をしてしまった越前居倉の2人の兄弟がいましたvs
兄弟は娘をめぐって何度も対立し、どちらも強く彼女を求めてきました…。

2人の気持ちを察しながらも、最後まで決めることが出来ずにある晩、越前岬身を投げました……合掌。。

翌朝、浜に1輪の美しい花が流れ着き、村人は“娘の化身ではないか”と思い、海岸に植えました。
これが越前水仙だとされています!!

うーん、こんなエピソードが秘められていたのかと思うと、スイセンは“哀しくて切ない花”のように感じられます…
スイセン お正月
Ⅵ.スイセンにまつわるETC…

スイセンの花言葉は『自己愛』『うぬぼれ』『神秘』『尊敬』です。
色にもより、は『報われぬ恋』、黄色は『もう1度愛して欲しい』『私の元へ帰って』という言葉があります

Ⅴ.で紹介した時にも切なげな言葉が散りばめられていましたね

自己愛うぬぼれ』とともとれるナルシストの語源は“呪いをかけられたナルキッソスの自己陶酔自分しか愛せないというナルシサス悲劇”からきています…(/_;)

ちなみにエコーちゃんは声だけになってしまいましたが、『こだまやまびこ反響』の意味をもつEcho(エコー)の語源になりました

さらに、黄色の花言葉もギリシャ神話から由来しています(・o・)

豊穣の女神デメテルの娘ペルセポネ冥界の王様ハデスをします
ハデスに連れさらわれる時、摘んでいた花黄色いスイセンだったそうです

母であるデメテル怒り懸念の気持ちが『私の元へ帰って、連れさられて心を閉ざしたままぺルセポネを想うハデスの気持ちがもう1度愛して欲しい』という言葉になったんではないでしょうか……。。

他にも昏睡・麻痺を意味するナルケ(narce)が由来とされています。

スイセンの球根猛毒ナルシン)が含まれています
よく花が咲かないうちニラと間違って食べてしまって亡くなる方もよく聞きます……。。

このように、食べた者を麻痺させ死に至らすため、恐れられていました
また欧州では19世紀まで、スイセンのあの香り有害な麻酔の成分があるとされていました!!

品のある見た目とは裏腹にかなり濃い(恋?)内面を持つ花なんですね